猩猩袴(しょうじょうばかま)

1
 中国の古書に「ショウジョウ」という獣が出てくる。顔は人間のようで、毛は赤く、姿は猿とも豚とも犬とも言われ、人の言葉を理解し、とてつもなく足が速い。その肉を食べた人も足が速くなるそうだ。そこでこいつを捕らえる時は、酒と下駄を用意する。酒好きのショウジョウはご機嫌になってくると人間のまねをしたがり下駄を履くのだそうである。流石に足の速いショウジョウも千鳥足に下駄では走りにくかろう。簡単に捕まえることができる。

 なんだか落語の一説を聞いているようだが、このショウジョウの血で布を染めると、猩猩緋(しょうじょうひ)と呼ばれる鮮やかな赤色に染まり、何百年も色あせないそうである。そのためかショウジョウは赤色の代名詞にもなっている。

 ショウジョウトンボは赤とんぼの仲間だし、ショウジョウトキは羽根が赤い。能楽の酒好きの猩猩も足袋以外はことごとく赤だし。ショウジョウバエは目が赤い・・・けど、飲み残しの酒によくたかるから、酒好きの意味も含まれているのかもしれない。

日記へ戻る1